脇汗ケア hyperhidrosis
脇汗とは
原発性腋窩多汗症かもしれません。
明らかな原因が無いにもかかわらず、日常生活で困るほど過剰に脇汗が出る病気の原発性腋窩多汗症は日本ではおよそ20人に1人がかかる、決して珍しくない病気です。
手のひら、足の裏、わきの下、額、頭部などに、左右対称性に多量の汗をかく病的状態です。
発汗に関与するコリン作動性交感神経が興奮しやすいことが一因と考えられていますが、はっきりと解明されていません。
精神的に緊張した時や体が温まった時に、多量の汗が出ますが、寝ている時は認めません。
診断基準
局所的に過剰な発汗が、明らかな原因のないまま6ヶ月以上続いている。
これらのうち2項目以上あてはまる。
- 最初に症状が出たのが25歳以下。
- 左右対称性に発汗を認める。
- 睡眠中は発汗が止まっている。
- 週1回以上の多汗のエピソード。
- 家族歴がみられる。
- それらにより日常生活に支障をきたしている。
当院での治療アプローチ
外用薬(ラピフォートワイプⓇ エクロックゲル®)
ボトックス注射
ラピフォートワイプⓇ
原発性腋窩多汗症の治療法として、これまでは汗が出るのを抑える塗り薬やボトックス注射などがありました。 そして新たに、2022年5月23日より、ラピフォート®ワイプという薬剤が処方可能となりました。これは、薬剤の染み込んだシートで1日1回脇をひとふきするだけで神経からの汗を出す指令をブロックすることで過剰な脇汗を抑えてくれます。
アルコール成分が含まれているので、アレルギーのある方への処方は出来ません。
毎日の使用によって徐々に効果を感じられます。
新しい薬剤の為、1回の処方は14日分となります。
※あくまで原発性腋窩多汗症への治療で適応となった薬剤となりますので、脇以外の部位への使用は禁忌となります。
使用方法
1日1回、毎日外用します。
費用
保険適用です。
3割負担の方で約1,100円程度になります。
エクロックゲル®
令和2年11月に承認され保険で認可された多汗症の外用薬です。
これまでは塩化アルミニウムなどの有効成分とする薬剤を汗の出口を閉塞させることによって発汗を減少させる治療が第一選択でしたが、エウロックゲルは皮膚の中にある汗を作る器官の一つであるエクリン腺が交感神経から伝えられる汗を出す指令を受取れないようにブロックすることにより、発汗を抑えることが期待できる薬剤です。
外用後、2週間ほどで効果があらわれるといわれており、比較的早くに効果を実感できます。
※あくまで原発性腋窩多汗症への治療で適応となった薬剤となりますので、脇以外の部位への使用は禁忌となります。
使用方法
1日1回、毎日外用します。
費用
保険適用です。
3割負担の方で約1,460円程度になります。
ボトックス注射
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質から精製された薬剤を脇の下に直接注射する治療薬です。これにより、交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックし、発汗を抑えます。
治療の流れ
①問診にて、診断基準を満たすかどうか判定を行います。
②同意書にサインをいただきます。
③次回のご予約をいただきます。
④施術日にご来院いただきます。
⑤両脇に麻酔クリームを塗り20分程おきます。
⑥ボトックスを片脇ずつ細かく注射します。
注意点
1回目の来院 診察+同意書のご記入(この日は注射しません)
2回目の来院 ボトックス注射
費用
保険適用です。
3割負担の方で約25,000円になります。
初診料、再診料、麻酔代は別途かかります。
効果と持続期間
汗をおさえる効果は通常、治療後2-3日であらわれ、4ー9ヶ月にわたって持続します。
関連ページ
わき汗のサポートナビ(科研製薬)
https://wakiase-navi.jp/